「B級自由民」宣言・山谷哲夫
「上に政策あれば、下に対策あり」
そのもそも日本人男性は、世界的にもそんなに見栄えはよくない。まず、顔の彫りが浅く、平面的だ。背も高くないし、がに股も多い。何よりも着こなし、色のセンスがいま一つだ。奥さん任せにし、自分の着るものさえ自分で選んでいないからだ。何よりも決定的なことは、奥さん以外の女性に恋をしていないから、外見に気を使わないことだ。
ぼくらも、頭の髪の毛だけでなく、肝心の中身も薄く、凡庸でもある事実を謙虚に自覚したほうがいい。例えば、僕らの会話に古典である近松、蕪村が出てくることはまずない。その身を切るような、つらい自己認識を踏まえた上で、攻めて外見を今以上に上品、おしゃれしたい。
ゴミ捨て、掃除、洗濯、布団干し、皿洗い、ご飯炊きなど、細々した家事が、僕は全く苦にならない。また、子供の三者面談に、母親のほうが出なくてはならないという掟はない。
僕は今まで、あまりに自由業、特に映画関係者、物書き等の末路を見てきた。多くは50歳代に入ると仕事が激減する。かんじんの感受性が年とともに鈍磨するのだから、仕方ない面もある。ギャラも新人に比べると、明らかに高い。そして、何よりも一言多く、使いづらい。
0 件のコメント:
コメントを投稿