11/25/2007

司馬遼太郎/開口健










司馬遼太郎のコメントから、




商人というものは、借りたカネを返す仕事なんだ。

侍たるものが、いやしくも下屋敷という名目で土地を所有してはいけないという意識があった。

明治四年に日本は金納性になります。税金をカネで納めることになる。農民たちは困りました。二宮尊徳的な自給自足の精神をもっていましたから、商品経済を排除してきた。現金はなるべく持たないようにしていたからで、そのため村の醤油屋や造り酒屋のところに、小作にしてくださいと頼みにいった。その後に日本の酒造業者の中から政治家を多く輩出したのは、このとき大地主になったからです。そしてそのとき、農民たいてゃ酒一升を持って頼みにいったという話が全国のどこに行っても残っている。造り酒屋たちが喜んで地主になったわけではなく、逃げ回ったからです。それはどこか心のなかに、土地をそんなに持ったり、小作を持ったりするのはよくないことだという気持ちがあったからだと思うのです。




開口健

狂気の文明からの偉大な逃走

彼はいかにもその道の魔にふさわしく、私生活は徹底的にスパルターンである。タバコを吸わず、酒を飲まず、美食せず、大食もしない。筋と骨だけのような体つきをしている。鋭いユーモアの精神を持っているが、口数は少なく、それでいてそばにいてまったく気にしないでいられる。

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