12/10/2007

白洲正子・青山二郎











白洲正子・青山二郎

ジィさんが「腹黒斎(ふっこくさい)」と名づけたが、もちろんこのハラグロはどちらかといえば褒め言葉のうちに入る。正直一点ばりの毒にも薬にもならない人間を彼らは軽蔑していたからだ。

「要するに風土ということだろうが、無用となってなお存在する、そういう危うい、あいまいなものを見つめる空気というものが流れていない」

「「世の中には、何でも見えていて、何でもわかっていて、書けない人はいるもんだよ。昔からそういう人たちは腹の中にいっぱい溜め込んで、死んで行った。辛いことだがお前さんひとりじゃない。どっちみち才能なんてたいしたものじゃないんだ。それでいいじゃないか。」

お金を持つとお金を持つこと自体が重荷になり、何かに追っかけられているみたいに蕩尽する。「生活を棒に振って、生活を買ってみるのが、私の信念だった。」そういうものが青山二郎の生活であり、生活力の源泉でもあったのだ。

「過去を乗り越えることによってしか、文化は発達しない。」

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