10/04/2007

お金の現実


「お金の現実 岡本吏郎」

人の価値観とは面白いものだ。なぜか、みんなが似たような価値観を持つ。
そこで、みんなと少し違う価値観を持ってみると、資本主義の世界は非常に生きやすいものになる。
一見、人がやらないことには勇気がいるけれど、人が興味を持たないものには、おいしいものが多いのが資本主義の世界だ。

資本主義の基本は、自分の得意なことで稼ぐ。そして、その稼いだお金で他人に得意なことをしてもらうことだ。

それ以上にステレオタイプの幸せだけは押しつけて欲しくなかったのだ。

「個人としては結構まともで気のきいた人であっても、群衆の一員となると、とたんに馬鹿者になってしまう」とフリードリッヒ・シラーは言った。

本多静六は「経済の自立がなければ、精神の自立はありえない」と言った。

ビジネスはロマンだ。芸術だ。こんな楽しいものはない。しかし、ビジネスを始めたからお金持ちになれるわけではない。それどころか、ビジネスが大きくなったからといって自分の収入が増えるわけではない。収入は増えないのにリスクはどんどん増える。事業をしたからといって金持ちになれるわけではないのだ。本当にお金を貯めたいなら、こういったことを冷静に見る必要がある。

本多静六の言葉に戻ろう。
「貧乏を恐れたり、金が欲しい、財産が欲しいと念じているだけではダメだ。自分から積極的に貧乏を征伐する覚悟を持たない限り、何も変わらない」

ジャック・ニクラウス
「私がプロになった理由はただ一つ。本当に好きなことをしなければ、自分が最善のものになれないと思ったからだ。決して金のためじゃない」
そして、
「金銭にこだわりすぎるゴルファーは三年、四年でプレイできなくなるね・・・・・・」
と言う。

ジャック・ニクラウスは、現実を冷徹に見て、変化する努力を続けてきたわけだ。これも長く働くことができるかどうかの重要な要素だろう。
ミュージシャンや芸人なども同じだ。長く売れ続けているミュージシャンや芸人は同じことをやっていない。かなりの変化を続けている。時には、自らの強みを捨てて新しいやり方に向かう人もいる。当然、その変化がすべてうまくいくわけではない。しかし、それでも変化をし続ける。

成功の定義は人それぞれではあるが、その必要条件が「自己コントロール」であることには間違いない。

どんなに勉強したって、人と同じような勉強、人と同じ商売、人と同じ考えで前に進むならそれは群れの一部だ。群れの中には、成功者はいない。お金を持っている人もいない。そこから抜け出す決断をしないかぎり、何も役には立たない。それは言葉を変えれば、自分の頭で考えるということだ。

レーニンは、『群衆心理』の影響から、「大衆の心をとらえ、大衆を動かすには思想を単純化し、凝縮しなければならない」と言い放った。

「目的に向かって順序正しく進む」

人のことはよくわかる。でも、自分のことはわからない。人間は、自分のことがわかれば無敵だが、そういう風にはできていない。

ノーベル平和賞受賞者のハーバート・A・サイモンはこんなことを言っている。
「私が行った研究では、誰でも10年がんばらなければ、世界的水準には達することができないという結果が出た。ボビー・フィッシャーはチェスの大達人になるのに10年弱かかった。モーツァルトはもうちょっとかかっている」

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