11/23/2007

藤原正彦いわく







藤原正彦いわく、

学者になるための理想的気質とは、好奇心がやたらに強く、いつも野心をたぎらせていて、周囲を辟易させるほどにしつこく頑固で、傲慢と言えるほどの自信家であること。
人当たりが柔らかくていねいで、いかにも穏やかな風貌の一流学者たちを知っているが、彼らも心底では上記の条件を満たしている。

馬鹿になれる人だけが世の中で成功しているというのは冷厳な現実であり、ある意味では悲しい現実であると言えるかもしれない。
なぜ馬鹿になることがそれほど決定的に重要なのだろうか。この答えは簡単だ。各個人の潜在的能力というものが伯仲しているからである。馬鹿になった時に初めて、それによってもたらされる狂気が、当人の眠っていた能力を揺り起こし、それを無限大へと発展させるドライビング・フォースとなる。天才とか一流と言われる人々を身近に見ているとそう思えて仕方がない。
それではどうしたら馬鹿になれるかという問題になる。ごく自然になれる人は最も恵まれた人であるが、そうでない人でも短期間ならばかになることが出来る。それにはある種の自己暗示が効果的と思われる。私も受験時代には、一年程の間、誰に教わった訳でもないがこの方法によって完全な馬鹿になっていた。おかげで全く無邪気にがり勉をすることが出来た。そして合格した。

個性教育とは人手のかかる非能率な教育である。それは効率性を追求する大量生産型教育の対極にある。

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