12/20/2007

茂木健一郎「脳」整理法










茂木健一郎「脳」整理法

「生活知」と「世界知」の関係を考える上で、たいへん重要な問題になってくるのが、私たちが生きていく中で避けることの出来ない不確実性です。

創造性は他者とコミュニケーションする能力と大いに関係します。

脳は、外界からの情報の入力がなければ、うまく働くことができません。

確実に不幸になる方法はたくさんありますが、確実に幸運になることの出来る方法などありません。

「行動」「気づき」「受容」が、「偶然を必然にする」セレンディピティを高めるために必要なのです。

自分の脳をオープンにしておいて、いつでも生きるうえで必要な何かが入ってくるように、スペースを空けておく必要があります。

どんなに動かし難いように思われる概念でも、その主語を「私」に置き換えることで、生身の「この私」が抱えているのと同じだけのフレキシブルなダイナミクスをそこに投射することができる。

世界をお互いに動かし難い個物の集合に分裂させてしまうのではなく、お互いに操作によって変換可能なものの集合に置き換えていくこと、そして、そこに生き生きとしたダイナミクスを立ち上げることこそが、科学的な精神の最良な部分なのです。

感情というものが自律的なものであることに着目すると、「根拠のない自信」をもつことが、偶有的な世界と渡り合うために、案外大切であることがわかります。

成功するかどうか分からない、不確実な状況に直面した時に、不安な気持ちを乗り越えてチャレンジし、それが成功するといった体験が一度でもあると、「不確実な状況下でチャレンジする」という脳のルートが強化され、そのような行動が苦労しなくても無意識のうちにとれるようになります。

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