12/06/2007
長岡 貫
長岡 貫
「どの先輩も食うや食わずで新しい日本を作ろうという気概に満ちていました。明治維新の志士に通じるものがあった」
「恥ずかしいことをしてはいけない。潔くあらねばならない。明治の人びとは現代人が忘れかけている信念を抱いていました。たとえば列強の属国になるのは恥ずべきことだという考えです。背伸びをしてでもほかのアジアの国とは違うという証しをたてたい。この信念は指導者層に特有のものと思うでしょうが、実はほとんどの国民が同じ思いだった」
「初の外国人教師として東大などで教えた英国人チェンバレンは欠点も挙げています。付和雷同を常とする、外国のまねをするなどです。日露戦争後、国全体が過信状態に陥り、やがてあの無謀な戦争に突入して完膚なきまでにやられちゃう。悪いのは軍閥だが、なかには尻馬にのってやれやれと言った国民もいた。付和雷同の典型でしょう」
「昭和三十五年の国民所得倍増計画は立派な政策だし国民に受けた。衣食足りて礼節を知るといけばよかったのですが、物質的な豊かさを求めるあまり、心の問題が置き去りにされなかったか。戦後の占領政策によって小中学校で価値観のようなものを教える機会が減り、家庭教育は金銭面の豊かさを実現するための進学や就職に主眼が置かれた。月並みですが、この世に生まれた以上、やりがいのある仕事を求め努力を傾注すれば、結果として経済的に恵まれなくてもいいじゃないか」
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