8/27/2007

武道の心で日常を生きる



武道の心で日常を生きる 宇城憲治




師を持つことは「文化を学ぶこと」でもあります。文化には歴史があります。長く伝わる文化は間違いのないものです。歴史を学べば、自分がいま何をすべきか教えてくれます。どう判断し、どう行動すべきか、答えはすでに過去の歴史がはっきりと示している場合が多々あります。

歴史を頭で勉強するのでなく、文化を通して身体で学ぶ。日本古来の伝統を、空手や剣道、合気道などの武道や、珠算(そろばん)、書道、茶道、華道、囲碁、将棋など日本の伝統に見られる文化で学ぶことは大切です。

中でも武道は理想的な文化だと思います。生か死かに直面した、真理があるからです。真理の追求は一番の土台になります。そこから骨組みができあがる。その土台と骨格から、全体がしっかりと見られるようになる。

勝ちに三つの勝ちあり

打ち込んで勝つは、下の勝ちなり
勝って打ち込むは、中の勝ちなり
戦わずして勝つは、上の勝ちなり

「武術を稽古していると理想が高くなる。一般的に理想が高くなると空想になってしまうが、武術をやっていると理想が本当の理想となり、それを実現しようとして努力するようになる。そういうエネルギーが沸いてくる」
これは座波先生の言葉です。


両足を軽く開いて立ち、、足裏全体で体重を支えます。そのとき、大事なことは、かかとを意識するということです。漠然と立っていた最初に比べて、足の裏に身体の重さを感じ、足裏で地面を踏みしめている感じが、だいぶわかってきたのではないでしょうか。


押されても、ふらふらしない。抵抗する力が強くなっている。後ろによりかかるのではなく、足の裏がしっかり地面とつながって、身体の芯から力が沸いている感覚があれば、統一体になった証拠です。


まだふらつく人は、頭であれこれ考えようとせず、まっすぐ前を見据えて、かかとに体重を乗せる意識でやってください。また、他の方法としては、左手の小指を少し曲げ、小指を意識するだけでも同じ安定が得られます。これでだいぶ変化を実感できたでしょうか。

できること、違いを感じることが大切です。かかとが上がっていても、かかとを意識することによって、安定が得られます。


打撃練習、投球練習の基本として、立ち方をしっかりすると同時に、こうした「相手の中に入る」[相手を捉える」稽古を普段から繰り返すことが、本当は重要なことだと思います。

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