6/13/2007

シャングリラの予言


音楽、映画、文学からグルメまで、カウンターカルチャーの生き字引、ミック(立川)とマッケンジー(森永)のスーパートーク。

扱われている時代は1989年から1994年でいわゆる「バブル時代」だ。20世紀の流行文化を語る中であの狂乱のバブル期を避けては通れないだろう。
この本はバブル期の東京を中心にした流行文化をリアルに再現してくれる。当時の遊び場、映画、音楽、アート、酒、女・・・あらゆる遊びとしての流行文化が二人の口から語られている。


森永博志さんとは、特に親しくさせてもらっている。以下は、多分、平成の奇書「シャングリラの予言」の気に入ったフレーズを書き留めたもの。


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町にでよう。旅に出よう。映画館に行こう。

文もうまく書こう、写真もうまく撮ろうと思っているうちはダメなんじゃないの。

結局、録音技術が発達してったらミュージシャンが疎外されていったわけでしょ。
うまくなきゃできなかったのに、うまくない人がミュージシャンになりはじめて、転落したね。

素の輝きがないのね。

結局、人間の脳だって実際はたらいているのは20パーセントぐらいで、残りの80パーセントは眠ってる。
その80パーセントの方に世界を解く力が秘められてるのにね。

その若さっていうか、アングラ魂って、何も恐れないってことだものね。
だって、アングラっていうと、オーバーグラウンドじゃないから、何したっていいわけだから。
だから名声手にしちゃったとき、守りに入るかどうかって、その差ってすごくあると思うんだよ。

昔は良かったっていうんじゃなくて、いまのものと昔のものを並列して聴いていると、昔のものの方が単純にいいの。

アンダーグラウンドってさ、実はアカデミズムとかエスタブリッシュの世界で確立されていた人が崩れていった時に、スピリッツが噴出したりするもんなんだよ。

アンダーグラウンドって、あんまりコンプレックスないんだ。

アンダーグラウンドのすごいヤツは、ちょっと越境してオーバーグラウンドでヒット飛ばせるんだよ。

人工的に商業的に作られちゃったものに対して、みんなすごく「何か違うんじゃないか」と思ってる。
そうすると、あんまりそういう仕掛けとか、計算で作られたものじゃないものに真実があるわけだし。

つまりメジャーの論理の側の世界って、いまや出来損ないのハリウッド映画って感じがするの。

アングラの人って地下だから、氷山というのはよく言うけれど、上に3出て下に7隠れてたんだよ。
能ある鷹はツメを隠してたのよ。でも、オーバーグラウンドの人というのは全速力で行っちゃうから、息絶えちゃう。
アングラの人たちがタフなのは、死んだふりしててもいくらでも出来るからね。

ピンク・クラウドって本当に音楽が好きだからやってる、ロックが好きだからやってる、かつうまい、表現力がある。
やっぱり、表現力ですよ。それはイマジネーション。

基本的にモノを創る人はイマジネーションが絶対必要。
スピリットも必要で、あとやっぱりこの10年ぐらい軽視されちゃってるけど、テクニックですよ。
やっぱりテクニックのないものは残っても、ものすごい薄っぺらい感じがする。

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