11/25/2007

宮崎学









宮崎学

(万年東一)もう他人は信頼しない、という決意か。そうではない。もう金儲けはやめた、という決意である。そもそも銭を貯め込もうというケチな了見が間違っていたんだ。今後、いっさい金銭にはこだわるまい。そのとき、そのときの必要が満たされれば、それでいいんだ。


「おめえねぇ、着ていかれた者より、着てった者のほうがもっとつらいよ。他人の一張羅を着てトンズラしなくちゃならない者の身になってみな。どれだけ切ないか・・・。」

「ミヤよお、俺たちゃあ、子供のことでえらそうなことはいえねぇよな」



反無法者の生き方とは、

ただ営々と市民生活のルーティンに埋もれて生きる。

ヒトよりモノに関心がある。人間関係をあまり大事にしない。

冒険や荒っぽいことが苦手で、常にそこから逃げる。

目的や意味ばかり問い、それがはっきりしないと動かない。

私生活と公生活を使い分ける。公で都合の悪いことは私に逃げ、私で都合の悪いことは公に逃げる。

定期的な収入を失うことを恐れ、その奴隷になることをいとわない。

最悪の事態を考えまいとし、平穏な秩序がいつまでも続くことを請い願う。

善悪の判断にぐずぐずし、きっぱりとした態度がとれない。



名誉やカネを得ようとすると、欲しかったものが得られなくなるからにほかない。

そんなものを得てしまうと、かえって重荷をしょいこんだことになり、万年がいま満喫している、この自由な行動、平等で闊達な人との関係が失われてしまうことを恐れたのである。



現実をよく知らず、責任感と親心だけから一流大学を目指す母親達に、父親は確率のかなり低いことを知らせ、安心させるべきだと思う。幼年期と青春期を、自然な姿で送ることが、深い情緒を育み、総合的判断力を培い、人間的スケールを大きく育てると言う点で、決定的に重要であり、ひいては出世や幸福にもつながると説くべきと思う。

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