8/21/2007

ドル覇権の崩壊/副島隆彦



ドル覇権の崩壊/副島隆彦

私はそれを2008年末から09年にかけて起こるであろうと冷酷に予測する。その時、米ドルは暴落を開始する。1ドルは2年後には100円を割るだろう。そして80円にまで突入していく。

中国がアメリカを世界覇権国の地位から追い落とし、自分たちが次の世界帝国になる。世界の覇権が、アメリカから中国に移るためには、ニューヨークの金融市場を中国が仕掛けて大暴落させることがどうしても必要である。そして、その事態が数年後の2010年ごろ起きるであろう。中国人はそのことを躊躇しないだろう。中国人がニューヨークの株式と米国債を大量に一気に売り浴びせる日が迫っているのである。それが、1929年のニューヨークの株式大暴落の再来である。

だから、私たちは中国の人民元を今のうちにたくさん買っておけばいい。黙っていても倍にはなる。なんとかして人民元を買えばいい。
いまは1米ドルが7.6人民元であるから、これが半値の3.8人民元にまで米ドルは下がる。それには3年(2010年)くらいかかるだろう。

世界の金融の動きを的確に未来予測しながら、どのような事態に対しても自分の資金を守れるように自由自在に動ける体制を常に整えておくことである。この先は大きくはドル大暴落であり、アメリカを中心とした世界の金融体制の瓦解が迫っていることに気づくことである。

2008年の終わりごろからドルは下落を始めやがて1ドル100円を割っていくであろう。90円台を維持するか、もしかしたら80円台まで下がるのではないか。それが2009年、2010年にかけて起きる。つまりドルの暴落が始まる。それは円高になるということだ。

私は1ユーロは200円まで行くと思う。だから今のうちにまだまだユーロ建て金融商品を買えばいいのである。米ドルとの関係で言えば、1ユーロが1.4ドルを超えて1.7ドルくらいになるだろう。ユーロはこれからもますます強くなる。その理由は、ドルが暴落するからである。だからユーロの外貨預金やユーロ建ての投資信託などに私たちは投資すべきである。

リバータリアニズムは、反過剰福祉・反税金・反統制経済を主張し、官僚統制を何よりも嫌う、強固な自由経済(フリー・エコノミー)重視の思想である。

ローマ帝国の昔と今は全く同じである。これと合わせて、定期的に5年に一度、10年に一度の割で、戦争をして外国の征服によって冨を得た。さらに贅沢のための資金調達を行った。戦勝国になればたしかにぶんどり品がたくさんある。

金・ドル体制(IMF=世銀体制)は、1971年8月の「ニクソン・ショック」で明らかになった。
この「ドル・石油兌換体制」の成立によって、米ドルは生き延びたのである。1971年のニクソン・ショックによって瓦解したはずなのに、形だけは、主要な国々の協調による世界の通貨の安定、という方策が作られた。



この新たに成立した、それまでの「金・ドル体制」に代わる、「ドル・石油体制」のことを、修正IMF体制=ロックフェラー石油通貨体制という。その実質は、背後から世界の全てを操っている現在の“実質の世界皇帝”であるデイヴィッド・ロックフェラー(92歳)の指図によるものである。



全く新しい時代に突入して、全く新しい世界試合(ワールドゲーム)が開始されるだろう。今度は、1971年の後の収拾策のような、「ドルを金ではなく、石油で裏打ちする」という手法は使えない。それではどうするか。それは金を中心にして、そのほかの鉱物資源も担保に差し出し、さらには、石油、天然ガスなどのエネルギーから、農産物(穀物)に至るまで、すべての実物資産(タンジブル・アセット)を、まとめてバスケットの中に入れて、それを信用の源泉にする、全く新しい通貨体制を作るということだ。この新通貨体制に移行しなければ済まない。



国民というものは、指導者たちが煽動すると、このように易々と戦争に動員されていくものである。人類の歴史は、このように愛国心と民族主義という考え方を鼓舞(インスパイア)するといとも容易に焚きつけられて、無謀な対外戦争への道を歩まされる。その数年後には、必ず大きな失望と幻滅が襲い掛かってくるというのに。戦争というものは、古来、だいたい3年から4年で、それを支える国民の熱狂と支持が消えうせるものなのである。剥き出しの報復感情と、メディアを使って操られた国民が幻滅し、国民に自覚を促すのには、それなりの時間がかかるのである。



狂暴なネオコン派高官たちは、世界中にアメリカ的な価値観を押し広げ、「アメリカ人の生活文化が理想の生活である」といsて、それを世界中に上から強制することによって、各民族の行き方とそれぞれの国民文化を破壊し廃止させ、アメリカ中心としお手本とする、単一、単調の文化(モノ・カルチャー)の世界を建設することを目指した。それをもって、「世界人類の理想社会の建設が行われ、実際には、人類の理想が達成されるのである」と考えた。これがネオコン思想である。



皮肉なことに、今や誰でも分かるとおり、だから今度は逆にドルの優位は米国の強大な軍事力に依存しているのである。ドルの信用力の源泉はアメリカの軍事力なのである。「ドル・軍事力世界通貨体制」と呼んでもいいものである。そして米国の強大な軍事力はやっぱりまたドルの信用力に依存している。
帝国というのは、見かけは強大だがその内実は逼迫していていつも不安である。“お山の大将”は案外弱いのである。日本人はアメリカをあまりにも強大な国だと勝手に思い込んでいる。だからアメリカと対等に交渉しようという愛国的な国家指導者を育ててこなかった。



ロックフェラー家は自分たちが、「世界のお山の大将」である、自分たちが最高指導者であり経営者であるから、アメリカ全体を管理し、更に世界を管理しなければならない、そうなると自分たちの自国通貨であるドルを売り払って、ドルを売り崩すことは絶対にできない。ここがミソである。お山の大将というのは山の上に一人でふんぞり返って王座に座っている人である。下の方や、周りから鉄砲の玉が雨あられのように飛んでくる。そして徐徐に身動きが取れなくなる。これが、世界覇権国なるものの運命である。これは歴史の法則であり、こうして身動きが取れなくなる。デイヴィッド・ロックフェラー(92歳)は徐々に力がなくなりつつある。それでも、彼は98歳、いやもしかした104歳まで生き延びるのではないかと心配(あるいは驚嘆)されている。彼が生きている間は、彼が持つ強大な権力は崩れない。彼が死ぬまでは世界皇帝である。だからロックフェラーは、自分と競争して、自分に挑戦してくるアメリカの新興の財界人たちを痛めつける。決して自分と同格の地位には就かせない。ここにアメリカ財界人たちの大きな対立・抗争の構造がある。




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