11/07/2007

ソングブック/ニック・ホーンビィ


ソングブック/ニック・ホーンビィ

ピンクフロイドの音は、風通しが悪くて人工的だった。おまけにプログレッシグ・ロックのやつらは、まるでクラッシクの音楽家になりたがっているみたいで、なぜだかポップを見下している感じだった。彼らについて行っても、その先は袋小路。未来はどこにも通じちゃいなかった。

イングランドのポップ・ミュージックを聴いてもイングランドは聞き取れない。・・・・セックス・ピストルズはストゥージスの歯並びを悪くして、やり手のマネージャーを付け加えたようなもの。

出来の悪いものでも許せる気持ちになったのは、最良の歌とはただただ美しく、そして美しいものとは、とくにポップ・ミュージックにおいて、稀少品であるからだ。そう考えてみれば、美しいものを抱きしめずにいるなんて、自傷行為にひとしい。もうぼくは、ポップ・スノッブでいる余裕などない。

ジャクソン・ブラウンの音楽には、若いころなら反応できなかっただろうと思わせるものがたくさん存在している。当時だったら、その繊細さやはかなさを、ただつまらないと勘違いしたはずだ。

ぼくは新しいものを発見しつづけたい。証券取引所に名前があるような店では、発見なんて出来やない。だからあなたには、ウッドや、あなたの家の近所にある似たような店で買物をして欲しい。でなければ、いつかきっとこうかいするはずだから。

音楽を愛してはいるけれど才能のない人間でも素晴らしい音を創造できる。必要なのは耳と、ソフトウェアと、センスのよさだけ。ファンという人種だけが持つ大いなる魅力が、これでようやく世に認めらるようになったわけだ。

音楽を創造するとは―どんな芸術でもおなじだが―空気の薄いところから何かを引きづりだし、もともと何もなかったところに何かを生みだすことであるはずだ。

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