2/20/2008

即戦力の磨き方 大前研一










下克上の時代を生き抜く 即戦力の磨き方 大前研一


そのためには語学力と国際的なマインドの養成が必須だ


二十一世紀はパーソン・スペシフィックの時代だ。世界で勝負できるプロフェッショナルが何人いるかで国力が決まる。韓国でもインドでも北欧でも、すでに国家レベルでその取り組みが始まっている。


基本的に英語さえ話せれば、世界中のどこの国、どんな人種の人とも、問題なく商売ができる。
なぜなら英語というのは、二十一世紀のエスペラント語だからだ。  


二十一世紀は見えない大陸だから、おおぜいが古い知識を持ち寄って、あれこれ相談しても、進むべき道など発見できるわけがない。それができるのは、前例が通用しないところでもひるまず、自分で問いを立て答えが出せる能力を持った個人なのだ。だから企業が生き残れるかどうかは、そういう人間をトップに戴いているかどうかにかかっている。


私は三十代、四十代の人たちが、とくに問題だと思っている。この世代は、体制の求める詰め込み教育に過剰に適応して、高度な受験技術だけを磨いてきたので、肝心の「自分の頭で考える」という訓練が、まるでなされていない。


まず四十歳を過ぎたら、次の人生で何をやるかを決める。仮に、「これまでの経験を買われて、中小企業の顧問に招かれる」ことを目標にしたなら、そこから逆算してキャリアプランを立て準備を始めるのだ。


彼は四十代である。「同じ世代がかったるいほうがこちらは楽だ」というのが、彼の口ぐせである。
先ほどいった宮本雅史氏も孫さんと同じ歳。彼の口ぐせも「同世代がリスクをとらないから僕でも事業ができた」である。
これが勝ち組の発想であり、思考回路なのだ。間違えたらどうしようなんてことは考えない。まず動いてみて、そこから修正を繰り返し、自分なりの方法論をつくっていく。これに対して、自分の頭で考えないで、誰かにうまくいくやり方を聞こう、ノウハウを頂戴しようなどという不精なことをやっていたら、正解のない新大陸では、負け組への道をまっしぐらだ。

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