2/10/2008

非属の才能・山田玲司












非属の才能・山田玲司

「なんか違うなあ」といつも心のなかで思っているあなた。実は、あなたには才能がある。ただ、まわりの空気を読んで、いい人を演じて、その違和感を押さえつけて、ないことにしてきただけなのだ。ところが、本当の才能や独創性といったものは、そういった属することのできない違和感のなかにこそある。僕が自信を持ってそう言えるのは、実際に、「はみ出し者」「変人」「引きこもり」「いじめられっ子」「妄想家」「ひねくれ者」の人たちが、その非属っぷりゆえに大成功をおさめた例を死ぬほど見てきたからだ。

実はそんな非生産的な要素のなかにこそ、非属の才能は眠っているものなのだ。いまの「まっとうな」教育現場では、野茂のような投球フォームは矯正され、清志郎のような歌い方はただの音痴と言われかねない。誰のなかにもあるはずの非属の才能は、あっという間に潰されてしまうのである。

医者や弁護士や東大生や電通マンになる試験はあっても、ブルース・リーになる試験ない。

子供の未来は、「親が子供の失敗をどれだけ許せるかで決まる」と考えていいと思う。

実のところ、人生は思ったより長く、「失敗は即失格」ではない。たとえ手痛い失敗や挫折をしても、まったく違う世界でその経験が生きてくることが多々あるのだ。

大切なのは、すぐに生産性や順位などの結果を求めないことだ。もちろん、まわりの言うことなど99%聞かなくていい。「自分が楽しいか?」とか、「何かいままでに感じたことのないことを感じるか?」といった感覚を大切にして、お金にならなくても続けるべきだろう。群れの空気より自分自身を信じて、人の評価を無視して自分なりの努力を重ねていけば、いずれ自分の隠れていた才能がなんであるかがわかるときがくるはずだ。そして、そのときはじめて、非属の扉はこじ開けられるのだろう。

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