2/12/2008

独立して成功する人、失敗する人










独立して成功する人、失敗する人  成川豊彦

常に自己より他人を優先させる博愛主義やボランティアの考え方には、明白な嘘が含まれている。自分のことをリッチにしないで、他人や社会のことだけを考えるというのは明らかにおかしい。自分が幸せになってこそ他人を幸せにできるのである。

親孝行は、創業者の絶対必要条件である。
親孝行もせずに自分だけ出世しようとするような人は、絶対に成功しない。
親孝行とは、自分を存在せしめてくれた親に感謝する気持ちから始まる。親が亡くなっている場合は、つねに供養する気持ちを忘れないことだ。

創業者にとって必要な資質とは、①アイデア②営業力③リーダーシップ④バランス感覚、の四つである。なかでも最も大事なのは、アイデア、すなわち発想、新しい何かを発見することである。
経営者は、まず自らがアイデアマンでなければならない。また、自分以外にも、社内に多くの発想豊かな社員を育てられる人間でなくてなならない。
アイデアに無縁な創業者が熾烈な競争社会で生き残れる確立は極めて低い。
よく観察してみると、世に金持ちといわれる人は、頭をよく使っている。よく考えるから、アイデアも湧いてくる。富の源泉はアイデアなのである。
もちろん、会社が発展していく力の源も”斬新な発想”である。そして、会社が苦境に陥ったとき、それを救うのも、ただただアイデアのみである。

会社が軌道に乗り始めたとたん、パートナーとの間にはすきま風が吹き始める。それまで目をつぶっていた相手の欠点に我慢できなくなる。方針決定を巡って口ゲンカ起きるようになる。苦しいときは助け合うが、楽になると、お互いのわがままが出てくるからである。

どんなに崇高な精神も、日々の行動に移さないと血肉とならない。同様に、心のなかにどんな目標(目的を達成するための手段)を掲げていようとも、「見る」「言う」「聞く」「書く」の四感を総動員して、毎日その目標を鮮明にする作業をしなければ、成功のプロセスに乗ることはできないのである。

数が少ないもの、すなわち、希少性のあるものを人は求める。だから儲かる。ここに着目するのが、成功の経済学である。

経営が軌道に乗り始めたら、すかさず経理を他人に任すこと。これが、なかなかできないことだが、企業成長の極意である。もちろん、なにかと人手の足りない創業初期は、配偶者や親兄弟など、身内の者が金銭の出入りを管理するのは仕方ない。しかし、創業3年もたったらのに、まだ身内が経理を担当しているという状態ならば、その企業の成長性は低いと判断できる。

ビジネスにおいて、ハードとソフトの重要度は同等である。ハードを活かすためには、ソフトが不可欠であり、この二つは決して切り離すことができない。つまり、ハードとソフトが合体して製品を構成しているのである。そうしてできあがった製品を会社が販売することで、ようやく社会に貢献できる。この考え方を「製品二元論」と呼ぶ。

お金にも人格がある。なめてはいけない。お金を大切にしない、とくに十円玉を大事に取り扱わない人間は大成しない。一億円といえども十円玉からなっているのだ。十円玉は恋人以上の大切な存在である。恋人のように心変わりしない。
そのお金に愛されるには、まず、できるだけきれいな服を着せ、きれいな家に住まわせることだ。つまり、出来のよい見栄えのする財布に入れてあげるのである。財布がぼろだと、お金は逃げていく。成功した創業者に、みすぼらしい財布をもっている人は少ない。引き出しや定期入れ、胸ポケットなどにお金を住まわせるなど論外である。


第一は、いつもビジネスの目的(目標)に立ち返る。
第二は、仕事の優先順位を考える。
第三は、相手から考えるということである。
第四は、”終点”から考えることである。たとえば、やがて来る倒産の日から発想して、今なすべきことを考える。
第五は、”TPO”を踏まえて考えていくことである。
第六は、”過去・現在・未来”の流れの中で考える。
目先の現状に一喜一憂するのではなく、つねに過去の何が原因で現在がどのようになっているのか、現在のどこを変えれば将来にどんな展望が開けるのかを考える。その分析する姿勢が成功を生むのである。

企業経営は、さぼる社員とさぼらせまいとする社長との、日々のせめぎ合いである。社長が勝てば事業は成功するし、社員が勝てば会社は潰れる。だが、社長がしっかりしていれば、最後には必ずその戦いに勝てる。

苦しいときは寝るのが一番。自分のすきなものを、しっかり食べて、ぐっすり眠ることだよ。そうして苦しみの壁を乗り越えると、その先には事業のもたらす深い喜びが待っている。

全く新しい環境に立ち向かうためには、やはり、リハビリが必要である。たとえば、創業を思い立ったら、一時期、今までの友人・知人とはまったく会わないようにすることだ。自分が引きずっている一切の過去、つまり名刺、キャリア、コネやプライドを投げ捨てるためである。それには、一人旅にでも出て、今までの自分を離れ、ゆっくりものを考える時間をもつようにするといい。

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